秋季の土佐対決 ② 完結編

 土佐高が敗れていれば、失意悄然として球場を後にするつもりでしたが、辛勝してくれたので、明後日の偵察のため居残り、岡豊高-高知商の試合を最後まで観戦しました。

 新人戦とは思えない白熱した手に汗握る、ハイレベルの大熱戦。12年ぶりの甲子園出場と3回戦進出の躍進で「市商人気」が復活。高知商側のスタンドには市商ファンが数多く詰めかけています。

 試合開始前の岡豊高の山中監督さんの気合の入りようは、「鬼気迫る」という表現がぴったり。ベンチ内からの怒号で気魄を選手たちに注入している様子は、高知商に対しての強いライバル心がありあり。

 その理由は試合が始まってすぐに判明しました。新チームの岡豊高は、こぢゃんと強いです。特に、エースの植田ジゲン選手は素晴らしい!田内投手クラスの好投手が岡豊高に彗星のように現れました。須崎市の浦ノ内中出身。

 夏の大会では、県予選でも甲子園でも大活躍して今や注目の選手となった野球小僧の市商のリードオフマン、1番西村君に対しても正々堂々の真っ向勝負を挑み、ことごとく打ち取っていきます。守備陣も堅守でエースを盛り立てますし、攻撃陣もしぶとく市商エースに食らい付き、相手の焦りからくるエラーも誘って7回まで4-0と楽勝ペースで試合を運びました。

 7回裏に1点返されましたが、この時点では私は岡豊高勝利を疑いませんでした。しかし、前チームの遺産は勝ち癖。諦めない市商は、8回裏の先頭の西村君がファールで粘り、打ち取られた1塁ファールフライをファーストが惜しくも落球。ここで流れが変わりました。3塁強襲ヒットで西村君が出塁し、後続が続いて一挙4点で試合をひっくり返し、勝負あり。

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 紙一重の勝利でしたが、高知商の甲子園出場チームとしての誇りと粘っこい精神力の強靭さを強く感じました。


 さて、明日は準決勝。正直な予想を述べると、どんなスコアになるのか背筋が凍る怖ろしさを抱いています。昨春の四国大会県予選決勝の再現になるのではないかというネガティブな予想です。あの試合は決勝だったので、コールドゲームが無く、9回まで戦って18-2。

 今回は7回コールドがありますが、9回まで戦ってほしいというのが、ビビってしまっている私の希望です。それほどに、高知商打線は振りが鋭く、力強いです。岡豊高の好投手のジゲン投手を最後の最後に打ち砕いて攻略した「勢い」もあるので、本当に手強い打線です。

 横田君なら序盤から中盤までは持ち堪えてくれるでしょうが、市商打線の強いゴロを土佐内野陣がはじかないかがとても心配です。

 よもや、勝つことはないでしょうが、力量差を見せつけられることの無い、例えば、土佐塾高のような戦いぶりを見せて、終盤まで試合の行方が分からない試合にしてほしいですね。


 気が早いですが、シード権を取った高知高・明徳義塾高・高知商以外にも、土佐高よりも実力がある強豪チームが並ぶ秋季大会県予選。新人戦の準々決勝は、4試合とも1点差ゲームだったことがそれを如実に語っています。私としては、中でも、絶対に、岡豊高には土佐高のゾーンに来てほしくはないですね。

 高知中央高・中村高・檮原高もとても強いので、避けたい相手ではありますが、やっぱり最も恐るべきは岡豊高ですね。シード校を打ち破るのはもちろん、四国大会でも十分戦える力があり、山中監督さんが本気で春のセンバツ甲子園を狙っていることが、市商戦敗戦後のベンチ前での異例の長い円陣ミーティングの様を見て強く感じたものでした。

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