金の力は、野球の力

 プロ野球高校野球への興味・関心が薄れそうです。チーム強化の最大の要因が、チームの経済力やスカウト力に占められることが、腑に落ちないからです。

 金の力で選手を獲得し、チームの底上げを図るチームの存在。5年30億の札束で、優勝請け負い人を引っ張ってくる。相手の中心打者やエースを引き抜くことで、我がチームの戦力を強化し、強敵の戦力を奪う作戦。どうにも腑に落ちず、納得がいきません。

 フリーエージェント制があるので、移籍するかどうかは選手たちの自由です。でも、「ファンの熱き思い」という大切なものも厳然として存在することを、プロ野球関係者には甘く見てもらいたくないのが本音です。

 千葉県出身の選手ならば、中国九州北海道よりは在京チームに移籍したいことでしょう。となると、今話題の中心になっている選手の移籍は奥様や家族の後押しがきっとあるはずで確実でしょうし、優勝チームをけん引する伸び盛りの若武者の4番打者も東京出身だけに、将来的なフリーエージェントでの移籍も悪夢ではなく、現実的なこと。

 今の3・4番がそっくりライバルチームのクリーンナップに座って、育ててくれた恩義のあるチームを打ち負かし、恩を返す模様など、私は観たくもないのです。

 高校野球の方は、TVニュースで昨日今日と流されている、高校野球監督の選手たちへのあり得ない暴行事件。動画に一部始終がばっちりと撮影されているので、言い逃れは出来ません。映像という証拠が存在するのですから。

 https://www.youtube.com/watch?v=UC8v2O7kVHc

 程度の違いこそあれ、ああいった体質が高校野球の指導の現場には厳然として存在するのが分かりました。あれは愛のムチの体罰の域を超えて、暴行事件というれっきとした犯罪です。

 高知県内の有力校でも、先ごろ監督の選手たちへの行き過ぎた指導が発覚し、大きく報道されたばかり。叱責や命令を逸脱した暴言にとどまらず、バットやメガホンでの暴行を働き、内部告発に発展した模様です。

 実際に手をあげずとも、怒号、罵声(ばせい)、威嚇、執拗な叱責…という言葉の暴力もあります。そんなものがまかり通る、教育現場にあるまじき行為がはびこっている世界に対して、次第に関心が薄れてくるのを感じます。

 甲子園の大会にしても、スカウト力のある高校のチームばっかりが強くなり、上位を占める現実。金の力にものを言わせ、全国から有望選手を集め、実績をあげ、またその実績に憧れる選手を積極的に声を掛け勧誘しスカウトしてかき集めるの構図。

 プロの世界も高校野球の世界も同じこと。嫌になってきます。