アナクロニズムの極致

 土佐高校野球部は、秋季四国大会出場をあと一歩のところで逃していたので、センバツ候補にあがることはありませんでした。

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 高知商が当落線上にありましたが、中国四国の5校目を広島の呉高と争い、投手力の差で惜しくも涙を呑みました。

 せっかく、土佐高・高知高の旧3強を撃破して高知県の1位代表になり、徳島商に競り勝ち、準決勝に勝ち上がり、春のセンバツ甲子園にリーチをかけたのですが、高松商に5回のビッグイニングを許してしまい、夏春連続出場の大魚を逸してしまいました。

 一挙7点。スコアは4-10でコールド負け寸前だったことが、マイナス材料として働きました。レバタラは言うてもせん無いですが、あそこで3点の失点にとどめていれば、4-6の接戦となり、センバツ出場は手中にできたはずです。

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 それにしても、戦ったこともないチーム同士の比較ってどうなんでしょうね。どうせなら、秋季中国四国大会にして、ガチンコで真剣勝負し、中四国のベスト4とプラス1校を選出するという方法にした方が、すっきりし、高校球児たちも納得すると思うのですが…。

 交通網の発達した今の時代、広島・岡山・高松・松山いずれでも、南四国・山陰からのアクセスはよくて、それほど無理なく開催は可能だと思われます。是非とも、検討してほしいものですね。


 話は変わって、監督の暴行が相次いで発覚しています。「晩節を汚す」結果となり、淋しく現場を離れることになった名監督たち。

 県内では、公立強豪校の甲子園優勝の実績と栄誉を持つ監督、県外では、県内の名門私立高校時代に主将として甲子園優勝の経験を持ち、今春のセンバツ甲子園でも秋季関東大会準優勝の実績を引っ提げて晴れの舞台に立つ予定だった監督。

 どうして、部員たちに暴行をふるうという愚行に走ってしまったのでしょうか?スパルタ式の軍事教練的体罰指導という悪しき伝統の連鎖でしょうか。松山の名門商業高校では部長、センバツの決まった同じ松山の私立校でも監督による部員への暴力が発覚。高校野球界の指導者による行き過ぎた暴言や暴行が、SNSの影響もあって白日の下にさらされる件が続発。

 高校野球人気のかげりに拍車がかかることは間違いないですね。横浜の筒香選手が、高校球界の指導の悪癖に苦言を呈し、改革案を声高く主張されておりますが、全面的に賛同いたします。

 高校野球の指導者たちの意識改革無しでは、サッカー、バスケットボール、バレーボール、テニスなどに奪われている中高生たちのスポーツへの憧れを野球の方に取り戻すのは無理ですよね。


 ちなみに、高知商のダンス部発表会への応援出場の件。高校球児をエンターテイナーとして取り扱い、あの大きな甲子園球場を連日満杯にする商業主義を新聞社とともに行っておきながら、「商業的行為の禁止事項に抵触」とはちゃんちゃらおかしいです。

 本音と建前のこれほど異なる体質の組織って、時代遅れ、アナクロニズムの極致です。天然記念物ものですね。

 商業高校なのですから、「営利を目的とした活動」の経験も貴重であり、なによりの実地研修であると思われます。ダンス部が少しばかり儲けても、なんちゃあ構わんと思いますし、出演料として野球部員さんたちが、わずかばかりの食事代でももらってもなんらおかしくないと、私は考えます。

 部長さんも、野球部員たちに、ダンス部の皆さんに甲子園で一所懸命に応援してもらった「恩を返す」という真心で出演を勧めたもの。なんら反省することもなく、恥じらうこともありません。無視する方が、恩知らずですし、「不義理」というもんですよ。

 野球部員さんたちもダンス部員さんたちも、野球部指導者の方々も、堂々と今まで通りの活動を続けてくださいね。土佐高の目の上のたんこぶのライバル校ですが、この一件に関しては、全面的に支持させてもらいますからね~。


 春の足音がかすかに聞こえてきましたが、この春には、土佐高のみならず、他の県内強豪ライバル校のセンバツ出場も無いとなると、淋しい春休みとなりますね。

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 いや、春季四国大会の予選が同時に開幕するので、夏をうらなう大会として注目し、観戦に訪れ、母校の土佐高、教え子の居る追手前高、檮原高、須崎総合高の応援を必死カッパに行い、寂しさを紛らわせることにします。

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