さらば、土佐の夏

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 2-3。スコア上は競り合いましたが、打力の差が歴然で、土佐高は粘り強く守ってよく接戦に持ち込めたなという印象を抱く試合でした。

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 高知西高の打線は力強く、好投手土居君から11安打。2-2の8回表には、1死満塁と攻めたて一気に試合を決める絶好機を迎えますが、土佐の背番号10から適時打を打てず逸機。2死満塁カウント3-1となった場面では、押し出しの四球を覚悟しましたが、気魄に満ちた投球でレフトフライに打ち取り、流れを手放さないように見え、期待しましたが…。

 9回表、代打に無死から3塁打を打たれ、なんとか2死までこぎつけましたが、最後に三遊間を抜くクリーンヒットを打たれて勝ち越されました。

 9回裏は、土佐らしいしぶとさや粘り腰を見せることなく、あっさりと三者凡退。伝統のはずの執念の粘り腰を見せることなく敗れさる姿には、土佐ファンとしては淋しさをおぼえました。

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 敗因は、やはり打線の弱さです。今日の試合は6安打2得点。1回戦の高知南高戦は、5安打2得点だったので、2試合合計でも11安打の4得点。初戦は、南高打線も弱かったので2-0で完封勝利出来ましたが、11安打の西高はよくぞ3失点で抑えたと感心するほど。

 高知西高エースの左腕投手は、緩急を使った頭脳的投球で土佐高打線を翻弄しました。マックスは128㌔ですが、通常は肩の力を抜いた122㌔のストレートと切れ味抜群の縦に鋭く曲がり落ちる変化球に、土佐打線は空振りを取られたり、平凡なフライを打ち上げてばかり。特に、右打者の膝元に食い込んでくるカーブかスライダーは効果抜群で、お見事でした。

 けっして球威抜群とは言えない投球に力負けするひ弱さはどうしたことでしょうか。純白のユニフォームが体の線の細さを強調しているのではないかと思わせられるような腕っぷしや太ももや腰回りの細い選手が目立ちました。バットを短く持った選手もいるのには驚かされます。

 そんな力強さに欠けた打線であるにもかかわらず、無死で出塁したランナーを送りバントで2塁に進めるという作戦が、土佐首脳陣にはありません。3度の無死1塁のチャンスに、無策に打って出て、平凡なポップフライを打ち上げてばかり。

 2度は4番の一打に期待したのでしょうが、1度は下位打線の打順。強打の土佐打線ならともかく、ランナーを確実にスコアリングポジションに送って、相手投手と守備陣にプレッシャーをかけるという戦術はとらないんですね。

 それと、土佐の内野守備がいつも通り「かたい」です。守備がかたい。かたいはかたいでも、堅実の堅いではなく、「硬い」。平凡なゴロをお手玉したシーンが2度あったのは、最後の大会としては残念でした。

 失策数は、2-1で土佐が上回りました。三塁手の守りは堅実だったことで、傷口を広げて大量失点を防いでくれたことには救われましたが、打ち取ったゴロをエラーされては、投手のリズムも崩れるというものです。

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 惜敗で、土佐高の夏は終わりました。高知商戦を観てみたかったですが、その前に公立の中堅校に敗れ去りました。高知商としては、巧みな投球術を持つ西高のピッチャーは打ちにくいので、嫌がるかもしれませんね。

 最後の夏に懸ける土佐高の背番号1を背負うエースの登板を見られなかったのが、実に心残りです。

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