収穫と課題が浮き彫りになった、貴重な試合

 現時点では、よくやったと誉めてあげたい精一杯の戦いぶりでした。1点を取った方が勝つだろうという僅差の試合。土佐高にとっては、その1点が実に遠かった…。惜しい試合を落としました。0-1の惜敗です。

 収穫と課題が浮き彫りになった、貴重な試合となりました。まずは、収穫。期待通りにエースの土居君がシード校岡豊高をぴしゃりと抑えてくれたことです。ピンチに動じることなく、ここぞの場面でナイスピッチングをできることに、精神的な強さ逞しさを感じます。


 ※先頭打者の打球を足に受けたエース土居君
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 ※アクシデントにもいかさかも動じることなく、素晴らしいピッチング

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 次に、8回裏にリリーフした鳶ケ池中出身の中澤投手が、ヒットを打たれながらも1回を零点に抑えてくれたのも嬉しかったです。本人にとってもかなりのプレッシャーだったようで、抑えきってベンチに帰ってくる際には、ホッとした笑顔で胸のあたりを手で覆って、ドキドキ感がすごかったことを示し、安堵感を素直に表現していたのが可愛かったです。

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 そして、内野守備陣も、序盤は少々硬くなりながらも、どうにかこうにかゴロをさばき、力投のエースを盛り立てました。レベルの高い投手が踏ん張り、堅実な守備をすれば、シード校とも競り合えることが分かったことは自信になると思います。

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 課題は、打線の強化です。初回2回にシングルヒットが出たのみで、3~9回はノーヒット。打たせて取る岡豊高のエースの術中にはまり、変化球に空振り三振、直球には押されて凡フライを打ち上げてばかりで、得点できる雰囲気すらありません。余裕でのシャットアウトを喫してしまいました。

 味方のエースがいくら頑張って相手打線を抑えたとしても、0点では勝てません。2安打しかできなかった打線の強化が急務です。素振りや打ち込みの打撃練習ばかりでなく、モリモリ食べて栄養を吸収し、筋トレでパワフルさも身に付けてほしいです。岡豊高の投手の球威に押される心もとない打撃力では、高知高・明徳義塾高・高知商などの実力校の投手には楽々完封を許してしまいますからね。

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 最も気に掛かるのは、いわずもがな、内野陣の不安定さ。大事にがっちり捕球するのはいいのですが、スローイングへの流れが悪く、一塁への送球が乱れることが度々あります。サード・ショート・セカンドに共通のぎごちなさ。リズム感を養って、普通のゴロは軽くさばいて、簡単にあっさりとアウトにしてほしいものです。

 高知中央高の校長先生になった旧友と土佐高応援席で、そんな会話を交わしてまもなく、土佐守備陣痛恨の悪送球が起き、2死3塁からのタイムリーエラーとなりました。完全に打ち取ったイージーなゴロ。がっちりと捕球し、送球、アウトチェンジ…のはずが、やらずもがなの決勝点。

 捕球して投球に移る時に、動作ががちがちになって、流れが切れ、コントロールの悪いスローイングになる傾向が土佐守備陣にはいつもあります。まさかイップスではないでしょうね。

 尾崎君ばりの好投手を擁する新チーム。内野守備の安定と打撃陣の強化を喫緊の課題として、秋季四国大会県予選までの短い期間ではありますが、チームが一丸となり全力を傾けて戦力の底上げをしてほしいです。

 タイムリーエラーとなってしまった悪送球の内野手は、懲罰交代的にベンチに下げられ、代わって出場した大阪府吹田市出身の選手が、センターに抜けそうな当たりを横っ飛びで好捕。グラブトスで1塁ランナーをセカンドで封殺した超美技は、それはお見事でした。レギュラー争いは熾烈になることでしょうが、選手同士が競い合い、切磋琢磨して、チームとして強くなってほしいと切に願います。

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 最後に、応援部に皆様、本日も大声を張り上げ、元気いっぱいの身振り手振りで土佐ナインの士気を鼓舞してくださって、本当にありがとうございました。一緒に、アグリ阿南、鳴門オロナミン球場に応援に行けたらいいですね。さらには、春のセンバツ甲子園にも。次も熱血応援をどうかよろしくお願いいたします。

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