高1の野球部員が、わずか6名

 少子化の波は、日本全体の問題であり、我が塾とてその荒波にもまれているので、けっしてよそ事ではないのですが、今、少子化問題に関してとても気になっていることがあります。

 少子化と相まって加速化している高知県内の中高生の野球人口減少現象です。中学野球も高校野球も、連合チームの多いこと多いこと。部員不足で日頃の練習もままならぬ学校が目に見えて増えてきているのです。

 慢性的部員不足にあえぐ多くの野球部の姿と、野球部を学校経営の柱にしている私学や高知市内の人気公立野球部など、一部は大勢の部員を抱えて、まるで「飼い殺し」状態にしている姿とは対照的。今後、両者の隔たりは大きくなりこそすれ、解消されることはないでしょう。高校野球ファンとしては、淋しい限りです。

 さて、伝統のある土佐高野球部。私が塾を始めたばかりの頃は、部員不足の暗黒時代がありましたが、学校のバックアップもあってか、部員数は多い時代が続いていました。

 しかし、ここにきて、暗雲が漂ってきています。野球部のHPの部員数を拝見すると、先ごろ夏の大会を終えて引退したばかりの高3の部員数は、12人。高2は多くて、19人。問題は高1。投手1・捕手1・内野手3・外野手1で、合計は6名。

 来春、新高1にある程度の新入部員を確保することができなければ、非常に厳しい状況に追い込まれます。

 現高1の部員の出身中学を見てみると、土佐中2名、葉山中1名、残り3名は県外で、高松市立玉藻中、大阪教育大付属池田中、大津市立青山中となっています。名門の土佐中野球部は、名監督の指導のもと、そこそこの実力と実績があるのですが、高校で続けるものは少ないんですね。

 特筆すべきは、高校から入学した県内公立中出身の部員がたった1名だということ。これはいったいどうしたことでしょうか。高校入試の難しさは県内随一ですから、中学時代に野球ばっかりやって勉強がおろそかになっていては受験すらおぼつかないことは当然ですが、それでも、たったの一人とは。

 頭脳明晰で学習成績抜群、しかも野球が上手い中学生なんてそうそういるものではないので、今後も県内公立中名門野球部からの入部は期待できません。ですから、供給源になっている付属の土佐中および高知大学附属中学校野球部からの入部に期待したところではありますが…。

 私の塾の現中3クラスにも野球少年が4名いますが、今のところ土佐高志望者はいません。高知商、小津高、高知西高、高知農を希望して、一所懸命に野球と塾との両立をしてくれています。

 公立中の野球部には入らず、南国マリナーズ在籍の塾生が成績優秀なので、これから説得して、土佐高受験を勧めてみようと目論んでいますが、本人の小津希望の意思が固いようなので、ちょっと無理かもしれませんね。