春の足音、日増しに高まる

 春のセンバツ甲子園が段々と近づいてきました。高知新聞では、土佐高野球部紹介の連載囲み記事が連日掲載され、土佐熱烈ファンとしてはこの上も無い喜びを感じるとともに、40年ぶりの甲子園勝利への期待も高まります。

 高知新聞社には、土佐高OBがたくさんいらしゃって、後輩たちへの期待の高さが相当なものであることが記事の内容の豊かさから感じられます。本当に喜ばしいことだと思います。

 2週間後、甲子園の晴れ舞台に立つ土佐球児のみなさん、頑張ってくださいね。

 みなさんは、粘り強く戦い、秋季県予選、四国大会本戦準決勝まで進みました。特に、四国大会1回戦・徳島城南高、準々決勝・小豆島高戦を、しぶとく1点差で競り勝って甲子園出場を射止めたのですが、21世紀枠で出場をつかんだ小豆島高はともかく、城南高の惜敗の悔しさを忘れてはなりません。

 というのは、あなた方の先輩たちは、あと一歩というところまで迫りながら甲子園出場の大魚を釣り上げる寸前でするりと逃がして、城南高のように悔し涙にくれたことが何度もあるのですから。1点差で勝つのと負けるのとでは大違いですが、勝負は時の運でもありますし、幸運が幾たびも重なってこそ甲子園出場の栄誉は与えられるのです。

 今回、高校野球の神様があなた方に幸運を与えてくれた陰には、これまでの先輩たちがつなぎ、脈々と伝えてきた歴史と伝統があることをけっして忘れないでくださいね。「右文尚武」の旗のもと、本気で「甲子園」と「難関大学合格」のハイレベルの二兎を追ってきた先輩たちの魂を受け継ぎ、本気・覇気・火の玉の気魄で晴れの舞台に臨んでください。

 土佐の野球部で志を高く掲げ、汗と泥と涙にまみれた猛練習を積み重ね、死に物狂いで頑張るも、惜敗で甲子園をあと一歩のところで逃した先輩たちの悔し涙や無念の思いをきれいさっぱり拭い去るかのような、胸のすくような爽やかでたくましく、そして、はつらつとして、しかも力強い戦いぶりで、是が非でも40年ぶりの歓喜の勝利の校歌斉唱をきかせてくださいね。