土佐、勝ちはするも、エラー多過ぎ

 県体・準々決勝にて、土佐高は岡豊高に7回コールド勝ち。予想外の大差に驚かされますが、ベスト4に進んだと喜んでばかりもいられません。

 言わずと知れた、内野守備陣のザル具合…。とほほです。失策(エラー)数は、3回で「3」、5回で「6」。投手陣が制球良く打たせて取るピッチングを披露してくれているのに、盛り立てるべき内野陣が、お手玉や悪送球の嵐。味方に足を引っ張られても、ランナーを背負って踏ん張り続けているピッチャーが気の毒になってくるほどです。

 高知高や明徳義塾高は、これらの守備のほころびに付け込んできて、相手にさらにプレッシャーをかけ、大量得点につなげてくるしたたかさを持っています。ミスでみすみす失点していては、四国トップレベルの全国クラスのチームとは互角に戦うことができません。

 守備が急には上手くはならないでしょうから、明日の高知学園戦でもし今日のような初歩的な失策を繰り返していては、投手陣がいくら頑張っても大量失点のワンサイドゲームになることは避けられないでしょう。

 夏の選手権まで、残り2ケ月を切りました。内野守備陣の鍛え直しは、急務です。春夏連続甲子園というでっかい夢を実現するには、一にも二にも鉄壁な守備。派手さはなくても、泥臭く、堅実に、一つひとつのゴロを丁寧に心を込めて、緊張感と集中力を高めてさばいていくにしくはありません。

 3年生として最後の夏に懸ける松原投手。最速132㎞の直球は伸びがあり、威圧感を相手打者に与えています。変化球の切れも良い上に、制球力もついてきて、投球に安定感があります。もともと、実力を秘めたエースを張れる投手です。最後の夏に、一花咲かせてほしいものですね。

 リリーフの主将・吉川周投手は、いつ拝見しても素晴らしいです。ブルペンでの投球で肩を温めたりする必要が無く、突然の登板で、センターからマウンドに上がっても、制球力は抜群。何より、相手打者に対して、「打てるもんなら打ってみい」とばかりに、気合十分に投げ込んでくるピッチングには惚れ惚れとしてしまいます。マウンド度胸があり、気魄の投球ができる、こちらもエース級が控えているのですから、松原君も思いっきり序盤から全力投球で飛ばせてさぞかし心強いことでしょう。

 3年生サウスポー2枚に加えて、県体では姿を見せず、きっと温存している2年生エースの尾崎投手もいるのですから、この夏は甲子園出場を狙えるチャンスは十分。内野守備陣がしっかりと守ってくれさえすれば…。

 打撃陣は、岡豊高の先発の左腕投手、リリーフの左腕投手双方からヒットを重ね、ビッグイニングを作って試合の大勢を決しました。安心して観ていられる試合展開でしたから、よけいにぽろぽろとこぼしまくる内野陣を情けなく思ったことでした。

 昨日は、7回まで無安打でしたが、今日は順調にヒット重ね、5回までで9安打。中央高のピッチャーは直球の球速がかなりあって手こずりましたが、岡豊高の投手は、平均125㎞前後だったことで、土佐高の打者は攻略がしやすかったように思えます。

  ○春野球場  【準々決勝】

  土 佐 004 302 0 = 9
  岡 豊 001 010 0 = 2


 新人戦以来の、四国内のチームに対しての、明徳義塾高以外には「不敗神話」は今日も健在。明日、四国王者の格上、高知高に一泡吹かせ、決勝に進み、5度(ごたび)の対明徳義塾戦となってくれれば面白く、土佐熱烈応援団としては最高の見どころ満載の展開なのですが。