土佐、17安打でも辛勝

イメージ 3
 (※女子生徒の応援も多い、県体ならではの応援風景です)

 17安打を放つ猛攻で、勝つには勝ちましたが、どうにもピリッとしない試合内容でした。

 5回表までに11安打で5得点。コールド勝ちの流れで楽勝を確信しましたが、ここからがいただけません。無死満塁で適時打が出て5点目。なお無死1・3塁の突き放し、相手に戦意を失わせる絶好機。ここで、簡単に打って出て凡退。

 1死1・3塁に局面が変わったところで、私が監督ならばスクイズで貴重な6点目を奪いにかかります。相手守備陣がまったくスクイズを警戒していなかったからです。そこを無策に打たして浅いレフトフライ。飛び出した1塁走者が戻れず際どくアウトの併殺で、流れを自ら手放します。

 気迫で掛かり込んでくる相手打線に、6回裏2死1・3塁と攻められ、次打者が放ったライトへの大きな打球は、レフトからライトに向かって強く吹く山風に乗ってスタンドイン。一挙に3点で、5-4と1点差に迫られます。この一発で勢いづく高知南高の選手たち。

 相手エースも息を吹き返し、土佐打線は6・7・8回2安打の散発で無得点。先頭打者が出塁してもバントで送ることが出来ずに、併殺を食らったり、盗塁失敗でチャンスの芽を自ら摘んで相手投手を助けます。

 そして、8回裏は疲れが見える土佐エースの横田投手が連続四球に見事な送りバントを決められた1死2・3塁のピンチに、センター前適時打を浴びて逆転されます。土佐サイドとしては最悪の試合展開。試合運びを誤りさえしなければ、コールドの楽勝のはずのペースが、負け試合になりかかるのですから、野球って本当に怖いです。

 9回表の土佐の攻撃は先頭打者が打ち取られて1死。敗色濃厚に見えましたが、ここから土佐打線が勢いを蘇らせ、好球必打の連打で相手投手に襲い掛かり、同点・逆転・追加点と攻め立て一挙4点。見事に試合をひっくり返してくれました。

イメージ 1
 (※9回表、土佐高逆転タイムリーヒット

  本気で負けを覚悟しただけに、9回表1死ランナー無しからの鮮やかな逆転劇にしびれはしましたが、本来なら楽勝できる試合ではありました。

【1回戦】
 土 佐 012 020 004 = 9
 高知南 000 013 020 = 6

 土佐高の背番号1の横田投手は、直球の伸びがあり、コントロールも抜群。変化球の切れ味も鋭く、序盤は相手打線に付け入る隙を与えませんでした。しかし、疲れの見えた中盤から終盤には握力がなくなってきたのかフォアボールの連続で自らピンチを招きました。

イメージ 2
 (※速球に伸びがあり、変化球の切れも良く、制球力もある土佐エース)

 何枚も居たはずのリリーフ陣の姿が今日はブルペンにも見えず、控えの投手が投球練習に出てきたのは逆転された8回裏から。横田君と同じレベルのピッチャーは、春季四国大会の予選時には、3~4人居たはずですが…。

 夏の選手権大会のシード権をつかみ取るには、今日明日の試合を連勝する必要があります。2日連続で横田君を投げさせるわけにはいかないはずですし、今日も一人に完投させるのではなく、やはり継投策をとるのが得策だと思われるのですが、控えの投手陣の駒数が足りていないのでしょうか。

 打撃陣は17安打で合格。守備陣も、三遊間を中心に堅実に守り、送球も安定しています。これに同等のレベルで磨き合う投手陣が揃えば、夏もそこそこ戦える上に、新チームとなる秋も十分楽しめて、四国大会出場も狙えるのにな、と残念に思います。

 明日は夏の大会のシード権をかけて、現在ポイント8で4位につけている宿毛高と直接対決で雌雄を決します。県体と言えども夏の甲子園につながる重要な一戦です。真夏を思わせる灼熱の陽射しの注ぎ込む高知市営球場で、明日も熱烈、熱血応援で土佐高のシード権獲得の後押しをする覚悟です。

 明日も土佐打線の猛打爆発を期待し、晩にはシード権獲得祝いの宴会を開けるようになることを願っています。