野球は本当に面白い 2015年 8月27日

 21日(金) 土佐中学対朝倉中学 春野球場

 22日(土) 土佐中学対明徳義塾中学 春野球場

 23日(日) 東京6大学野球オールスター戦 春野球場

 24日(月) 土佐高校対中村高校 高知球場

 26日(水) 土佐高校高知商業 高知球場

 1週間足らずのうちに、5度も野球観戦に出掛けました。こんなことって、生まれて初めてです。母校の野球部が強いと、本当に楽しませてもらえます。野球ファンにとっては、たまらない夏の終わりとなっています。しかも、どの試合もスリリング&エキサイティングな展開となり、ハラハラドキドキで学生野球を満喫の夏休み最終盤。

 夏休みに入ったばかりの時は、選手権県予選で、土佐高校が室戸高校・中央高校にあいついで土壇場9回に粘りを発揮した逆転勝利で、興奮し感激の思いに浸らせてもらってから、1ケ月経っていますが、あの感動の続きが春野と高知のグラウンドで続いているようで、土佐熱烈応援団としては、胸躍る日々を過ごせています。



 さて、昨日の高知商業戦。高知商業の先制機に、土佐のセンターからの中継プレーで市商ランナーを本塁で刺したことが大きかったです。先取点を奪われない鉄壁の守りを見せたことで流れを相手に渡しませんでした。

 まず、目を見張らされたのは、土佐の選手諸君の堂々としたプレーぶり。強敵高知商業にいささかも臆することなく、自信を持って自らの力を出し切ることに集中できていた姿に、頼もしさをおぼえました。

 打線の力は、土佐よりも市商の方が上に見えましたが、鋭いライナーや外野の頭を越しそうな大きな当たりを、ことごとくナイスキャッチ。ラッキーのようにも思えますが、守備陣の位置取り、打球に対する的確な反応、最初の一歩の出足の良さなどに裏付けされた、意味のあるファインプレーだったのかもしれません。

 どれかの1本が抜けていて、タイムリーヒットになったり、チャンスを広げられていれば、実際のスコアとは反対の試合展開になった可能性を強く感じました。一方、土佐の先制点の場面は、0-0の6回表、2死2・3塁の場面で打ち上がったセンター前へふらふらと上がった打球が、前進、また前進してダイビングキャッチを試みたセンターの前にポトリと落ちるテキサスヒット。2点タイムリーとなったことで、試合展開は土佐有利に大きく傾きました。

 土 佐 000 002 100 = 3
 高知商 000 000 000 = 0
 (土佐)松原-楫(かじ)
 (市商)高橋-國澤
  〈二塁打〉吉原、松原(以上、土佐)、岡林祐(市商)

 ヒット数は、8-8。エラーの数は、1-2で土佐が1つ多いです。土佐のエース左腕・松原君は、四死球を出しました。サードのエラーも二つありました。それでも、高知商業を完封。これは素晴らしいです。

 ピンチになっても動じない逞しい精神力、粘っこく守り抜く気魄の守備、自信を持って鍛えてきた自らの力を発揮する平常心。これらをエースはもとより、土佐の選手全員から強く感じました。

 特に、松原君は不敵の面構えで、堂々たるピッチングで、ピンチに相手のクリーンアップを三振に切って取る圧巻の投球。頼もしいことこの上ありません。胸を張って、敢闘精神満々に相手打者に挑みかかっていく強気の投球。伸びのある直球、鋭く曲がる変化球に、ハートの強さが加わって威力を増し、空振りの三振となって結果を出してくれます。ナイスピッチング!快哉を叫ぶ大声を、土佐側応援スタンドから何度上げたことでしょうか。

 8回裏高知商業の攻撃は、2死満塁。ここで1本タイムリーヒットがでれば、試合はもつれます。この場面でも、動じることなく市商の中心打者をきっちりと抑え、土佐の勝ちの可能性がグンと高まりました。

 課題としては、初回・3回と先頭打者が2塁打で出塁したにもかかわらず、送りバントを失敗したり、犠牲フライも打てずに終わって、先取点を奪えなかったこと。気力で踏ん張るエースを守り立てるべき内野陣が、エラーで足を引っ張ったこと。バントや守備は、これから鍛え上げることができますから、精度を上げて、当たり前のように確実に、堅実にこなす力を付けてほしいです。

 高知商業に勝ったことで、ベスト4に入りました。春のセンバツ甲子園につながる秋の四国大会県予選では、これで、初戦から2強の明徳義塾高や高知高と対戦することはなくなりました。秋には、1~3位に入って徳島で開催される四国大会への切符を手に入れることが重要です。そのために、今回の新人戦でベスト4に進出できるかいなかは、非常に重要なことであり、甲子園のかかった試合の如く、気合の入ったドキドキの思いで試合を見詰めました。

 明日行われる明徳義塾戦は、私としては、松原君は休ませ、先発・1年の尾崎君、リリーフ・吉川君で、経験を積ませてほしいと願います。本番の秋の大会への準備として、2番手3番手投手の養成に重要な公式戦を使ってほしいと思うのです。松原君の肩や肘の消耗を避けるためにも、投手陣育成のためにも、そして、今後の土佐高野球部の成長のためにも、一人エースの酷使は回避してほしいと望みます。しかも、松原君は、市商の最後のバッターのピッチャー返しのライナーを軸足に受けましたし…。

 夏の選手権は、ベスト4。中学野球は、土佐中が準優勝。そして、新人戦では現時点でベスト4。高校・中学ともに、存分の戦いで、私も若き血潮、荒ぶる心意気が呼び覚まされています。土佐高・土佐中の野球部の皆様に感謝の思いを届けるとともに、例年以上の猛暑の中、まさに「命懸け」の熱血応援を繰り広げてくださっている応援部の皆様にも、心からの感謝の意をお伝えしたいです。

 土佐の流れを作るために、応援団の励ましやエール、闘志をかき立てる校歌斉唱は効果抜群です。勝利の陰の立役者は、応援部に間違いありません。そして、吹奏楽部の方々も、土佐中の決勝戦および、東京6大学野球オールスター戦の際には、炎天下、一所懸命の演奏をしてくださり、母校を応援し、また6大学野球を盛り上げてくださいました。

 今年は、早稲田実業の清宮選手人気も手伝い、高校野球の人気が高まったこともあってか、昨日の高知球場にも、普段は見られない女子高校生の新しいファン層が球場に集まってくれていました。野球人気に陰りが見られだした高知県ですが、「野球は本当に面白い」と心の底から思っている私としては、もう一度、かつて隆盛を誇った県内野球界が復活してほしいです。

 そのためには、野球の魅力を伝える機会を増やし、実際のプレーを見てもらい、心に感動を持ってもらいたいですよね。中学野球も素晴らしかったですし、大学野球もハイレベルで面白かったです。そして、選手の皆様にとっても、ファンの私たちにとっても「甲子園球場」という夢であり憧憬の晴れ舞台が存在する高校野球って、心が打ち震えるほど面白く、エキサイティング。

 野球人気を、ほかのスポーツに奪われないように、私はこれからも微力ながらも高校野球の魅力を伝え続けていきたいと考えております。