土佐高登場まで、あと一週間

 ちょうど一週間後には、土佐高野球部が春のセンバツ甲子園に登場します。高校入試のどきどきはらはらやきもきそわそわに続いて、今度は母校の戦いぶりに心奪われ、今からどきがむねむね、もとい、胸がドキドキしています。
 
「甲子園はコールド負けがないから…」なんて弱気な戦前予想があったりしますが、いやなに、土佐の新チームの全試合をこの目でつぶさに観察した私の分析力・洞察力、そして高校野球を鋭く眺める慧眼でものを申させてもらうと、土佐の勝機は十分あり得ると断言します。
 
昨夏・昨秋の大阪桐蔭高は、試合のビデオ分析をする限り、投手力は超高校級=プロ級がいて土佐打線は手こずる以上に、きっときりきり舞いさせられるでしょうが、かたや、打線は爆発的というほどではありません。
 
 ということは、七色の変化球を持ち、ストレートも打者の手元でグンとホップするような伸びを見せる、我らが土佐の小さなエースに、気魄と度胸に溢れ、大胆不敵なマウンドさばきで、かつ頭脳的な投球術を駆使してもらえば、大阪桐蔭打線をぴしゃりと抑え、僅差の接戦に持ち込むことは十分に可能なのです。
 
 勝てるとすれば、スコアは1-0、または、2-1。少ないチャンス、そう、ワンチャンスを活かして先取点をあげることができれば、相手の焦りを誘って、力を出させない戦い方が望めます。
 
先制できなくても、粘っこく守って試合を作り、序盤・中盤を最少失点に抑えれば、必ずやチャンスは訪れます。そこで、県予選の高知工戦、四国大会の徳島城南高・小豆島高戦のようなしつこくしたたかな試合巧者ぶりを発揮する場面があれば、きっと、必ずや…。
 
 しかし、内野陣の手痛いエラーが出るとそうはいきません。野手が尾崎君の足を引っ張っていはいけません。エースがリズムを崩すことになると、大敗の可能性が強いですから、内野の守備陣がいかに堅守で尾崎君も盛り立て、強力にバックアップできるかどうかが試合の鍵を握り、試合の命運を決定づけるのです。
 
 新エースの尾崎君は、秋の四国大会では、しぶとい明徳打線を9回まで4安打に抑えました。甲子園の大舞台でも、あの時の再現で、クレバーな投球術で快刀乱麻を断つベストピッチングができれば、大阪桐蔭の強力打線といえども、そうたやすく攻略を許すはずがないと、私は尾崎君に絶大なる信頼を抱いているのです。
 
 土佐高応援サイドの皆様、どうか、小さな大投手・尾崎君ならびに土佐の純白球児に絶大で熱烈なる応援をよろしくお願いいたします。