ガンバレ 明徳義塾高

 今度の日曜日に全国高校野球選手権大会が開幕します。夏はやっぱり、これがなくっちゃね。

 夏の甲子園は「合区」がなく、予選の出場校数の多寡に関係なく、2校出場の北海道・東京を除いては1府県に1つの出場枠が与えられているのが嬉しいじゃあありませんか。ただ、今は野球留学の選手が多数をしめる高校が増え、厳密には地域の代表とは言えない面はあります。

 高知県の人間としては、四国の代表を応援したくなるのが当然の心理。今夏も高知県代表の明徳義塾高をはじめ、お隣の愛媛・香川・徳島県の代表に熱を入れて応援するつもりです。


 【第1日】8月 7日(日) 第1試合・佐久長聖(長野)―鳴門(徳島)

 【第6日】  12日(金) 第2試合・松山聖陵(愛媛)―北海(南北海道

               第3試合・尽誠学園(香川)―作新学院(栃木)

 【第7日】  13日(土) 第2試合・明徳義塾(高知)―境(鳥取


 明徳義塾高は、今のところ決まった組み合わせでは最終日に登場のため、随分と待たされます。昨年は、初戦からいきなり強豪との対戦のため、春・夏ともに苦杯を喫し、甲子園で簡単には負けない馬淵明徳神話が崩れかかっているだけに、何としても勝利を収めてほしいと願います。

 明徳義塾高は、7年連続の出場。高知県の他の高校は明徳が居る限り出場できない状態です。他のチームが明徳を苦しめたり、勝ちかかったことは何度もあるのです。しかし、結局勝利をつかむのは明徳。県外から遥々やってきて、野球一筋に、甲子園を本気で目指し、魂のこもった練習に明け暮れることで、強靭なる精神力を培ったことを証明するかのように、最後のここぞの場面で超美技が出たり、逆転適時打が飛び出して、きわどく競り勝つことの繰り返し。

 気魄に勝った明徳の選手たちが、運まで呼び込む戦いぶりを披露することに、強さだけでないサムシングの存在を毎度毎度強く感じます。今夏の高知商戦も、そうでした。昨年まで6年連続決勝戦で1点差で敗れ、悔し過ぎる涙を大量に流し続けている高知高は、最後のワンプレーまで分からない試合が何度もありました。

 土佐高も、準決勝で対戦し、森岡投手の力投でわずか1点に抑えたにもかかわらず、0-1で惜敗したこともありました。最後には勝ち切るあの粘り腰、球際の強さ、勝負強さっていうのは、厳しい訓練の日々に勝ち取った強靭なる心の力と、野球の神様に愛され微笑んでもらえる何かをつかみとっているとしか思えません。

 だからこそ、高知県からほかの高校の出場を許さない状態での出場の明徳義塾高さんには、高知県の代表として、県予選でのあの逞しさ、神懸った勝負強さを甲子園でも十二分に発揮して、昨年の春夏の分まで取り戻す戦いぶりでの活躍を期待するものです。