土佐高野球の真骨頂

 土佐高野球の真骨頂をネット裏最前列でしかと拝見。強かりし時代の土佐が帰ってきたようで嬉しかったです。

 絶体絶命のピンチに強い精神力で守り抜く粘り強さ。

 少ないここぞというチャンスを確実にものにしていく集中力。

 対戦相手を調べ抜き研究し、守備位置を変えてヒット性の当たりをことごとくキャッチする緻密さ。

 この3点において、チームの完成度が高くなっていることを実感して、こぢゃんと頼もしかったです。端的に表現すると「強靭な精神力・厳しい鍛錬の賜物の集中力・頭脳的プレーが出せる緻密さ」。これぞ土佐高野球です。

 絶対的エースの横田君頼みの試合ではなく、猛暑の長丁場の大会を想定して、先発はサイドスローの井下君。初戦の緊張のためか、ストライクが取れず、四死球の連続で、1回は1死満塁、2回は2死満塁のピンチを招きます。

 ここで1本タイムリーヒットを打たれると、流れは一気に高知西高に傾きます。土俵際に追い込まれてからの粘り強い守りが必要とされる場面が序盤にたて続けに訪れ、土佐応援サイドはハラハラのし通し。

 ここを井下君が踏ん張り、薄氷を踏む思いで乗り切ります。インフィールドフライや内野ゴロ。西応援サイドにとっては、痛い逸機です。

 (※1回表・1死~2死満塁。守り切ってくれます。)

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(※2回表・2死満塁。これも守り切ってくれます。)
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 守備陣に懸念のあった西は、やはりタイムリーエラーでやらずもがなの1点を2回裏に土佐に献上。流れを自ら手放します。

 土佐高はコントロールが定まらない井下君に早めに見切りをつけ、3回からエースを投入。土佐のエースとしては珍しいどっしりとしたドカベン体形の横田君は力強い投球で、西の打線をきりきり舞いさせます。

 メリハリのあるピッチングで、強打者を迎えた時やピンチの際にはギアを上げ、本気の投球。マックス133~134㎞の直球は伸びがあり、相手打線を手こずらせます。

 相手が序盤に2度の満塁の絶好機を逃したのに対して、土佐打線は初めての2死満塁に値千金の走者一掃のタイムリー2塁打。ここで勝負ありでした。

(※1塁ランナーもホームインで、4点目。)
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 春季四国大会では、同じ高知西高相手に、3度の満塁の逸機で試合を苦しくさせました。その反省が活き、今日はワンチャンスで一気に流れをつかみました。1・2回のピンチに適時打を打たれていれば、展開はまったく逆になったことが考えられたので、嬉しい「れば」「たら」となりました。

 中心選手の内田君は、凡退した打席で異様に悔しがり、ベンチに戻る前にフェンスをバンとたたいていたのを私は見逃していません。集中力を極限にまで高めた次の打席。1死3塁で犠牲フライで5点目で上等だったところ、会心の一撃でライトオーバーのツーランホームラン。西高の息の根をとめる貴重かつ効果的な一発となりました。

 投手陣は、1・2回は井下君、9回は中口君を担当してくれたので、エースの横田君が6回で済んだのは好材料です。力投型なので、準決勝の明徳義塾戦があるとすれば、出来る限り消耗は避けておきたいのが土佐首脳陣の戦略でしょう。

 次戦は、思い切って横田君は温存で、井下君→中口君の継投で勝負をかけてもいいと私は考えます。狙いはずばり4連勝での夏の甲子園出場ですからね。

 休養十分のまっさらの状態で、絶対的エースの横田君を強敵明徳義塾打線にぶつけていきたいですからね。