土佐高校、薄氷を踏む勝利 2015年10月 4日

 土佐高校、薄氷を踏む勝利です。が、しかし…。

 なぜ、勝利をつかむことができたのか、まったく不思議な試合内容でした。ヒットの数は、土佐7:9小津。エラーの数は上回って、土佐4:3小津。土佐は、これにくわえて四死球あり、パスボールあり、暴投あり。よくぞ、3点に抑えてくれたものだと驚いています。

 1死満塁という絶体絶命のピンチが幾度かあり、タイムリーヒットが一本出ていれば、試合の流れは小津に傾き、ひょっとしたらスコアは逆の試合展開になった可能性が強いです。そのピンチをしのぎ切るところが、「強い」と言うのかもしれません。

 運も味方につけ、粘っこく、泥臭く、しぶとく守り切り、最少失点に抑えて、ビッグイニングを作らせなかったことが、土佐勝利の最大の要因です。

 試合序盤、エラーをしてエースの松原君とリリーフの尾崎君の足を引っ張ったサード土居君・ショート馬場君は、試合が進むにつれて落ち着きを取り戻し、試合終盤は本来の堅守で、尾崎君を精一杯守り立ててくれました。失敗はつきものです。途中できちんと修正して、9回裏1死1・2塁最後の大事な場面で、サード土居君のナイスプレーで相手の流れを断ち切ったことは大きかったです。

 小津は、惜しい試合を落としました。絶好のチャンスに、もう少しゆっくりと時間をかけて攻撃し、相手投手と守備陣にプレッシャーをかけていけば、ビッグイニングを作れたのではないかと思われます。土佐は逆に、1死2・3塁の好機に、下位打線から値千金の三遊間を破るタイムリーヒットが出て、一挙に2点を奪い、突き放した一打が効果絶大でした。

 結果から言うと、しぶとさやしたたかさ、粘っこさ、という点で、やはり、土佐に一日の長があったということでしょうか。

 ○春野球場・準々決勝第2試合

 土 佐  100 140 000 = 6
 小 津  011 000 010 = 3

  (土佐)松原、尾崎-楫
  (小津)竹内、林、和田-中田

 土佐の2枚看板の松原・尾崎両投手は、土佐応援サイドが「ヤバイ…」とビビっている満塁の場面で、精神的な逞しさを感じさせる強気のピッチングで、三振を奪ったり、併殺に切って取ったりしてくれて、安堵のため息を何度もつきました。試合途中からは、ハラハラの場面を血圧を高くして見続けたため、息をするのさえ苦しくなってきましたよ。

 両投手もよく踏ん張って、ピンチをしのぎ切ってくれましたが、やっぱり、縁の下の力持ちであるキャッチャーの楫君の強気の好リード、特に思い切った内角攻めがさえました。ネット裏からかぶりつきで目を凝らして見詰めていたので、よく分かるのです。

 とにかく、疲れました。準決勝の偵察のため、第1試合も試合開始前から球場に到着し、暑い中、ネット裏の最前列に陣取って、2試合まるまる観戦したため、本当にバテました。授業の無い日曜日だからこそできることです。土曜日だと、授業があるので、土佐の試合限定での応援になりますから、日曜日でラッキー。

 明徳義塾高校は、投・攻・守・走ともに格段のレベル。土佐をどのように贔屓目(ひいきめ)に見ても、明徳の今日の岡豊戦での完勝ぶりと土佐の守備陣のほころび具合を見ていると、どうにもこうにも、勝てそうな相手には思えません。

 準決勝での対戦で、土佐はガチンコ勝負を挑んで、総力戦を仕掛け、投手をすべて投入して全力で勝ちにいくべきか。それとも、3位決定戦のことも考慮して、計画的な継投策をとり、温存すべきは温存して、高知商・高知工業の敗者との戦いを確実にものにすることも考慮する作戦も練るべきか。自分が監督でもないのに、1週間後の戦い方の作戦を思い悩んでいます。