土佐高、薄氷を踏む勝利! 2015年10月11日

 神懸(かみがか)っていると言ってよいほど、土佐高はしぶとく、粘り強く守り抜きました。土佐4安打に対して、高知工業はなんと倍以上の10安打。

 10本もヒットを打たれた上に、四球、エラー、捕逸(または暴投)もあったのに、初回の1点しか取られることなく守り抜いてくれたなんて、繰り返し迎えるピンチに動じることなく強靭な精神力を発揮して粘り強く投げ抜いた土佐の投手たち、そして、投手を盛り立てて懸命のプレーで堅く守り抜いた野手たちに拍手です。

 ネット裏でかぶりつきで観戦していましたが、初回の無死満塁に始まり、最終回の2死1・2塁、長打が出れば同点のラストシーンまで、絶体絶命のピンチが幾度もあり、ハラハラ、ドキドキのし通しで、血圧が上がりまくり、息をするのも苦しくなるほどの緊迫の場面の連続でした。

 振返ってみると、初回の無死満塁の場面で、相手の4番打者をショートゴロ併殺に打ち取ったことが、非常に大きかったですね。前進守備の作戦は取らず、1点は献上しても併殺を狙ったベンチの指示が当たりました。ここで、2点以上取られたり、ビッグイニングを作られていれば、土佐高は確実に敗戦を迎えました。

 それほど、高知工業の左腕エース・小松君の出来は素晴らしく、土佐打線は大きく曲がる切れ味鋭いカーブに翻弄されました。90㎞前後のカーブを有効に使い、120㎞台のストレートを速く見せる頭脳的ピッチングに、凡打の山を築きました。「打たして取る」の典型のナイスピッチング。強打を誇る高知中央高打線が抑えられたのもむべなるかなって印象を受けました。

 昨日の準決勝の高知商業戦では、登板回避していましたが、やはり、その理由は、故障ではなく、「温存」だったことが、今日の快投で判明しました。一人エースだけに、四国大会出場を狙って、土佐高戦に懸けたのでしょうね。

 度重なるピンチを、先発・吉川周投手、ロングリリーフの尾崎投手の継投と、守備陣の堅実な守りでどうにかこうにかしのぎ切っている時に、頼りになる主将の値千金のライト線を襲うタイムリー長打が出てくれました。リードを奪えたことで、土佐の選手たちは焦らず、落ち着いてプレーすることができたのです。逆に、高知工業には、若干焦りと危機感が生まれ、手痛いタイムリーエラーが出てしまい、痛すぎる、やらずもがなの追加点を与えてしまいます。

○春野球場・3位決定戦
高知工 100 000 000 = 1
土 佐 100 020 00× = 3
(高工)小松-前田
(土佐)吉川周・尾崎-楫
三塁打〉吉川周(土佐)
 ※土佐は3年ぶり16回目の四国大会出場が決定

 先日の準々決勝の高知小津高も同じでした。公立高校は、ここぞというときに、手痛いエラーをして、流れを自ら失うのです。高知工業は、投手力も、攻撃陣も、土佐のレベルをしのいでいましたが、ここぞという場面での守備のほころびが、惜しすぎる敗戦を招く要因となりました。

 信じられないような、どうして勝てたか分からないような、押されまくりの試合展開でしたが、どんな勝ちでも勝ちは勝ち。執念でつかみ取った勝利を喜び、チームが一丸となって勝ち切った土佐高の皆さんの頑張りを称えたいです。

 今日の3位決定戦で、土佐高は高知工業に3-1で勝ち、念願の四国大会出場が決定です。土佐高命のファンとしては、2週間後に徳島で行われる四国大会まで、春のセンバツ甲子園出場の夢を見られることはこぢゃんと嬉しいです。

 土佐高は、高知県の3位校として出場のため、1回戦は他県の2位校との対戦となります。 徳島・城南高校、香川・高松商業、愛媛・新田高校。いずれも、強豪、古豪の実力校ばかり。

 できれば、応援に駆け付けたいのですが、一人で、ワゴンRでは、体力的にも、ポンコツ中古ワゴンRの故障も心配なので、トヨタの高級車で駆けつけるために、所有者の般若嫁を誘ってみようと思います。多分、断られるでしょうが、日頃、奥様サービスで、松山や高松の日帰り旅行にお連れしていることを引き合いに出して、有利な取り引きに持ち込み、「Yes」の返事を導きだす作戦を敢行します。何事も、駆け引きが大事ですからね。

 ともあれ、2週間後の四国大会まで夢が広がり、楽しめることはとても嬉しいです。今晩は、コスモスでアルバイトしている次女を迎えに行った後、午後10時頃から、土佐高の祝勝会を一人で行い、勝利の美酒に酔い痴れたいと思います。

 昨日・今日と、連日、2試合をすべて観戦しました。高校野球三昧の二日間は、本当に燃えました。次は、四国大会でも燃えますよ~。今回は、ライバル校の明徳義塾高や高知商業高は敵でしたが、四国では同県の仲間として、土佐同様に必死で応援しますからね。

 フレ~、フレ~、土佐高。フレ~、フレ~、高知商。フレ~、フレ~、明徳義塾高。そして、最後に健闘素晴らしくも、惜しくも敗戦を迎えた高知工業にも、フレ~、フレ~、高知工業!