四国大会出場、おめでとうございます 2015年10月12日

 いくら好試合を演じてもトーナメント方式の勝負事は負けてしまったらお終いですから、どんな勝ち方でも勝ちは勝ちで価値があると思います。

 直近の3大会で、強敵・難敵との対戦にしぶとく粘っこく戦い抜いて、最後には勝利をつかみ取る土佐高野球部のたくましさには賞賛の拍手を送りたいと強く思います。2強の明徳義塾高&高知高校以外の学校には、一度も負けていないではありませんか。立派です。素晴らしい戦いぶりです。心の強さを持ち、逆境にも崩れない精神力の強靭さとチーム一丸となって戦い抜く協力一致の試合ぶりを、同窓生として誇りに思います。

 秋季四国大会県予選・ベスト4

 土佐  3-1  高知工業
 土佐  0-5  明徳義塾
 土佐  6-3  高知小津
 土佐 11-4  中村

 選抜大会(新人戦)・ベスト4

 土佐  1-8  明徳義塾
 土佐  3-0  高知商業
 土佐  8-1  中村

 夏季選手権大会・ベスト4

 土佐  6-13 高知
 土佐  4-3  高知中央
 土佐  5-4  室戸
 土佐 12-0  安芸桜ヶ丘

 競り勝った試合の中には、どう考えても相手チームの方が総合力に勝ると思えることが何度もありました。それでも、けっしてあきらめることなく、気魄を前面に押し出し、最後までしつこくしたたかに守り、攻め、勝ち切っていく戦いに、何度拍手喝采を送ったことでしょうか。これほどまでにたくさんの土佐高の勝利の瞬間に短期間に立ち会えたことって、最近あったでしょうか?

 土佐高が推薦入試制度を採り入れ、野球部強化が割合た易くできた頃でさえ、これほど上位に食い込み続けることは難しかったです。県選抜の選手がたくさんいても、鬼門の高知中央高に負け通しだった夏の選手権。それが、今度は相手が優勝候補なのに、9回の劇的逆転勝利!

 今回の3位決定戦も、明らかに力は高知工が上なのに、試合には勝つ。高知工や小津高としては、相撲でいうところの「相撲に勝って勝負に負ける」の気持ちが強かったことでしょう。左腕小松投手の90㎞の鋭く曲がるカーブと120㎞台の直球の緩急自在のコンビネーションにきりきり舞いさせられ、投手陣も10安打を喫するも、最後には勝利。これって、実は、土佐高は強いのではないでしょうか。

 勝つことにより、選手たちは大きく成長します。もちろん、改善すべき点、反省すべき点、鍛え直す点は、浮き彫りになりました。しかし、負ければお終いの甲子園のかかった重要な試合で、ひたむきに戦い抜き、勝利を収め切る強さは、本物だと思います。

 甲子園での明徳義塾は、各上の相手にも接戦で戦い抜き、結局勝利をつかむことが何度もありました。そんな明徳の勝負強さが、私は好きです。それと似たようなしたたかさが土佐高にも備わってきたことは、こぢゃんと頼もしく、近い将来の甲子園出場の夢も大きく膨らんでいるのです。

 さて、四国大会ですが、中心となる尾崎君が活きの良い投球ぶりを見せてくれていますから、楽しみですね。三遊間&一塁の守備陣を短期間に鍛え直し、打撃はおおいに振り込んで本来の打力を見せてくれれば、他県の2位校には勝てるはずです。ただ、苦手としている今治西高ゾーンは避けたいですね。

 もう一度、明徳義塾高と合いまみえる試合が実現してくれれば、これに勝る喜びはありませんが、まずは、1回戦を一戦必勝で行くことが大切ですね。

 私の教え子の政岡君(立教大学四国銀行)と高見君の2枚エースのいたチームは、3位で四国大会に行き、1回戦で徳島県鳴門工業に勝ちました。鳴門工業は翌年夏、準決勝まで進み、マー君(田中投手)のいた駒大苫小牧に勝ちそうになるほどの強豪。それに勝ったのですから、快挙でした。ただ、1回戦で全力を使い果たし、準々決勝では愛媛県の1位校・西条高に雨天試合途中中止の試合も含め、2試合ともぼくぼくに打たれまくって大量失点して敗退した苦い思い出があります。

 今回は、投手が4枚いますから、上手に継投して勝ち上がる作戦も練っておいてほしいと切望します。2週間後の試合、いや、その前に対戦相手が決定する組み合わせ抽選会が、今から楽しみで、または怖くてなりません。