アーカイブ・土佐中野球部に「逸材」有り! 2014年 8月13日

 春野球場に、第64回高知県中学野球選手権大会の1回戦・朝ケ丘中対土佐中を観戦に行ってきました。今回は、朝ケ丘中3年のA君、B君、C君が塾生ということもあり、母校・土佐を裏切って、朝中サイドで、朝中応援団の一人として試合を見守ります。

 優勝候補の一角である土佐中は、大黒柱の絶対的エースを中心に、まとまった戦力で、堅実な試合運びをします。朝ケ丘中打線も、積極的に打って出ますが、切れのある速球にきりきり舞い。ヒット性の当たりはほとんどないままに、2安打完封を喫します。

 コールドゲームにはならなかったものの、7-0で土佐中の完勝。塾生の三人も精いっぱいのプレーを見せてくれましたが、高校生並みの実力を持つ土佐のエースを攻略するには至りませんでした。

 4番バッターでリリーフ登板もしたA君、ファーストからキャッチャーと重要なポジションを守り抜いたB君、代打出場からそのままレフトを守り、最終回の打席では、しぶとく速球や切れのある変化球に食らいつき、ファールを重ねて粘り強いバッティングを見せてくれたC君。敗れはしましたが、一所懸命のプレーに胸が熱くなりました。

 お疲れ様。今日で野球部は引退になります。次は、野球部の監督様に代わって私が君たちを鍛える番です。常套句ですが、「バットを鉛筆に、グラブを参考書に」持ち替えて、今度は受験勉強の球場で、野球に打ち込んだ情熱そのままに勉学に打ち込んでくださいね。

 さて、今日の試合では、色々な面で不思議な感覚に陥りました。箇条書きにしてみます。


① 軟式野球のため、硬球を金属バットで打った時の「カキーン」という金属音が無い。

② ファウルボールがスタンドに入った時の、注意を促す「ピーーー」という笛の音が聞こえない。

③ いつも必死で応援する「土佐」が、今日に限っては対戦相手。躍動する純白のユニフォームが憎たらしく感じるのは、妙な感じ。

④ 土佐中のキャッチャーが左利き。サウスポーの捕手は珍しい。

⑤ 土佐中の選手たちの体格が、中学生にしては大きく逞しい。

⑥ 土佐中のエース・尾崎君のダイナミックな投球フォームからズバッと投げ込まれるストレートのスピードと威力。

⑦ 土佐中の控え選手たちが、ベンチ上のスタンドから、小さな白いメガホンを持って、大声を上げ、高校野球部ではけっして行わないアカペラ声援を必死に行っている。

⑧ 土佐中応援の保護者たちの熱の入れようが半端ではない。

⑨ 三木監督さんのノックがこぢゃんと上手いし、前向きの姿勢のチームの雰囲気を作り出し、実力チームに毎年育てる高い手腕を見せていることを目の当たりにした。

⑩ 兄貴分の土佐高校野球部も顔負けの「全力疾走」ぶり。さらには、選手・ベンチ・スタンドが一致団結したかのよう盛り上がりぶり。


 朝ケ丘中の応援に駆け付けたはずなのに、結局、土佐のことばかりが印象に残り、話題となってしまいました。それほど、土佐ナインの元気溌剌のプレーぶりが目立つ試合だったのです。

 特に、エースの尾崎君。素晴らしい!岡豊高校時代の名投手・田内君と似通った投球フォームで、中学生ばなれした活きのいいピッチングを披露してくれました。将来の土佐高マウンドを託される逸材です。中学時代に、一球入魂で一球一球に心を込めて全力投球し過ぎて、肩や肘を壊しはしないか…。それが非常に気になる土佐高野球オタクの私です。

 今回の選手権でも、土佐中が波に乗って上位まで勝ち進んで、尾崎君が熱投、また熱投ということになるのを危惧してしまいます。孤軍奮闘で、肩や肘に過剰な負担を掛けないようにしてもらいたいですね。

 中学時代最後の大会での勝利を重視するあまり、毎試合、長いイニングを一人に託して、将来の土佐高野球部のエースになる貴重な素質に恵まれた人材を故障させることのないように、三木監督様、どうか、控え投手にもマウンドを任せ、うまく試合を作って勝利を目指すことと、尾崎君を故障から守ることを両立してくださるように、十分な配慮をお願いしたいです。