土佐高、守備力の差で市商を破る ①

 土佐高、会心の勝利で2年連続の準決勝進出を決める!

 得点差ほどには、楽な試合ではありませんでした。部の伝統と誇りをかけた高知商VS土佐高戦は、いつもの通り、はらはらドキドキのスリリングな試合展開。

 「れば」「たら」をたくさん言いたくなるような、心臓に悪く、血圧が上がり過ぎでぶっ倒れそうになる、流れがあっちに行ったりこっちに来たりの目まぐるしい場面がずっと続きます。しかし、「あの美技がなければ」・「あの2点タイムリーの2塁打がなかったら」・「キャッチャーのナイス送球による盗塁阻止がなければ」・「ピンチに完成させた併殺プレーがなかったら」という、勝利の要因となる歓喜の「れば」「たら」ですから、土佐応援サイドとしてこれほど嬉しいことはありません。

 勝利の要因はたくさんあるので、箇条書きで振り返ってみます。


1 守備陣の見違えるほどの上達ぶりです。市商の強打者の放つヒット性の鋭い当たりを、ことごとく内野守備陣がナイスキャッチ。1塁手・2塁手・3塁手・遊撃手すべてにレベルアップし、地味ながらも球際に強い、しぶとく粘っこい堅実なプレーの連続で、市商のチャンスの芽を摘み取っていきます。何度、「ナイスプレー!」「ナイスキャッチ!」を喜びの大声を上げたことでしょうか。

  特に、ショート馬場君の超美技、ファースト清岡君の度重なる美技は光りました。


2 捕手の柴田君の正確無比な2塁への送球は見事の一言です。矢のような球筋で、セカンドベース上に構える野手のグラブにストライク送球で、盗塁を阻止すること2度。俊足の1番打者の盗塁まで刺すのですから見上げたものです。


3 外野守備陣も、広い守備範囲で安定したプレーでフライをつかみ取ります。相手打線を研究し、守備の位置取りもピタリとはまり、ライナー性の危うい当たりを正面のフライアウトにしてくれました。


4 エース尾崎君の堂々たるプレートさばきには、土佐のエースの誇りと甲子園のマウンドを踏んだ自信を強く感じました。胸を張り、落ち着いた態度には、「風格」さえ漂っています。ピンチにはギアを上げ、相手中心打者を三振に切って取る投球は、土佐ファンには頼もしい限り。


5 西内監督様と楠目部長様のコンビが、素晴らしく機能し、確かなチーム力を養成してくれていることが高いレベルで証明された試合でした。特に、旧チームでは最後まで懸案事項となっていた内野守備のレベルアップ。鬼のノックで鍛え抜かれ、見違えるようなプレーを毎回のように披露してもらえたのは、指導する監督・部長・コーチの皆様の「守備力の向上」という明確な目標設定と地道な鍛錬の成果が、四国大会ひいては甲子園のかかる重要な一戦で十二分に発揮されたことに、チーム育成の方向性の確かさを確信いたしました。

 To be continued(=続く)