土佐高の出ないセンバツ

 昨年の今頃は、センバツ高校野球のことでワクワク心をときめかせていたものですが、今年はうって変わって冷静そのもの。落ち着いた気分で開幕を待っています。

 言わずと知れた土佐高校野球部の一般枠での話です。土佐センバツ出場の喜びと期待は大きく、抽選会の日を待ちわびていたのです。

 2年連続の選抜甲子園出場を願って、昨秋には胸をドキつかせながら、春野球場に連日熱烈応援に馳せ参じ、最大の山場と見られた準々決勝の高知商戦に快勝してくれた時には、最低でも秋季四国大会出場はできて、甲子園への夢を見させてくれると期待したのですが…。

 準決勝の中村高校戦、3位決定戦の岡豊高校戦に連敗。まさかの四国に進めずの結果となり、春の夢は秋に散ったのでした。

 シード校の高知学園、土佐、明徳義塾高をたて続けに撃破し、40年ぶりに秋の県大会を制した中村高校は、四国大会ではあと一つのアウトが取れず悔しい惜敗を喫しましたが、センバツ出場校選考会にて、いの一番で21世紀枠での出場権を獲得し、幡多の中高応援熱は異様に高まり、高知新聞でも特集記事が度々掲載されています。

 土佐を破った中村高をもちろん、全力で応援しますが、やっぱり、土佐高への思い入れとは雲泥の差があるのは否めません。甲子園の1回戦で、大阪桐蔭高に完敗した悔しさが、心の中に大きく残っているからです。あの口惜しさは、甲子園でしか晴らせません。

 センバツでは、県勢の明徳義塾高と中村高を応援しますが、この2校はともに、夏の甲子園を目指す土佐にとっては打ち破らねばならない難敵・強敵ですから、甲子園で実績を上げ、経験を積み、自信を積み上げられて、あまりに強くなられても困るのが、土佐ファンとしての率直な思いなのです。

 春になれば、春の四国大会の高知県予選が開催されます。一冬に鍛え上げた土佐高の守備陣と打撃陣の成長を確認するのが、今から楽しみです。尾崎君・柴田君の県下で屈指のバッテリーを擁しているだけに、内野守備でもり立て、集中力の高いしぶとい打撃でエースを援護して、夏こそは必ずや…!

 とりあえずは、センバツ甲子園では、明徳・中村の2校を全力応援するとして、終わればすぐさま、切り替えて、ライバルとして甲子園での戦いぶりをつぶさに研究し、夏の戦いに活かしたいものですね。なんて、私が気負っても仕方がないですが。