土佐高、勝ち試合を失う ①


 悔やんでも悔やみきれない敗戦となりました。2回戦突破は確実、100%勝利を確信した土佐高応援サイドとしては、悪夢の8回表。

 言いたくはありませんが、敢えて言わせてもらいます。これは、完全に「采配ミスによる敗戦」であります。勝ち試合をものにできなかった悔しさを、選手のみなさんは歯ぎしりして、地団太踏んで噛み締めておられることでしょう。

 特に、完璧な投球内容で、宿毛工打線につけいる隙を与えず、1~7回をピシャリとシャットアウトしていた土佐の尾崎投手にとっては、信じがたい、受け入れにくい逆転負け。

 1回戦の宿毛工の戦いぶりをこの目で偵察した時、大きく振りかぶるダイナミックな投球フォームでズバッと投げ込む気魄に満ちた宿毛工のエースのピッチングぶりから、貧打の土佐打線はかなり手こずり、苦しめられることは想像していましたが…。果たして、その予想は的中。

 それでも、しぶとく攻め、球運も味方につけ、2安打しかしていないのに、序盤から中盤に1点ずつを取って、3-0。セーフティリードとは言えないまでも、今日の尾崎君の本来の実力に戻った力強い投球を見ると、すいすいと完封することは明らかでした。

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  序盤は、129㎞までだったのが、中盤には腕がいっそう振れ出して、マックス134㎞。安定感のある投球術で、点を取られる感じはまったくありません。伸びのあるストレートと切れのある変化球のコンビネーションに、相手打線はきりきり舞い。3塁を踏ませない甲子園のマウンド経験のある実績ある投手らしい堂々たるマウンドさばきには、風格さえ感じました。

 土佐高の7回裏の攻撃は、相手エースをリリーフした投手を攻め、1死満塁。外野フライで1点追加のはずが、ナイスバックホームで憤死。一瞬にして併殺。流れを失います。ここで1点でも取れていれば、の「れば」が口をついて出てしまいます。

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  それでも、7回を終わっての3-0のリードに、勝ち試合との確信を持ったであろう土佐の首脳陣が動きます。変える必要のない尾崎君に変わって、〇〇君。気の毒過ぎて、名前を出すのは控えたいです。〇〇君は、春の四国大会県予選でも、メンタル面の弱さが出て自滅したことがあり、先頃の1回戦でもリリーフした後、高知東工打線に痛打を浴びていましたから、首脳陣から「信頼を集めている」とは言いがたいはずでした。

 それなのに、この大事な場面に抑えとして登板。「大丈夫やろうか…」との危惧の念、いや、危機感を抱いたのは私だけではないことでしょう。きっと、選手たち、保護者のみなさん、土佐の関係者はみんな同じ思いだったはずです。

 監督・部長さんたちのゲームプランで、継投で行くとあらかじめ決めており、尾崎君を準々決勝に向けてできる限り温存しておこうという思いでの投手交代だったのでしょうが…。それも時と場合によりけりです。5-0、6-0ならまだしも、3点はワンチャンスで追いつかれる得点差。ここでは、状況判断を冷静にして、あと2回、尾崎君には負担をかけるにしても、確実に「勝利を手にする」方を優先して選択してほしかったです。

 〇〇君は、あきらかに大事な場面での継投登板に硬くなり、四球・死球・四球で無死満塁のピンチを自ら招きます。変え時は、ここです。ここで尾崎君をマウンドに戻していれば、また、「れば」が出てしまいます。続投で、カキン、2塁打をかまされて、2点返され、さらに無死2・3塁。ここで、ようやく1塁に回っていた尾崎君をマウンドに戻します。

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  肩が冷えていた尾崎君も、四球を出した後、痛打を浴びますが、土佐の外野守備陣が美技でもり立て、レフトへの犠牲フライにとどめ同点。3-3。1死1・3塁で、1-1の場面で、「スクイズを仕掛けてくる」と確信して、私としてはネット裏から、「外せ」の指示を出したのですが、それも空しく、警戒することなくあっさりとスクイズを許し、遂に3-4と逆転されてしまいます。

 その後と、9回は、尾崎君はパーフェクトな投球で、結局、自責点は0ではないでしょうか。悲劇のエースといった表現がぴったりです。

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  それでも、まだビハインドは1点のみですから、ここのところの土佐のしぶとさ・粘り腰から必ずや逆転勝利してくれると信じていましたが、昨夏の2回戦・高知農戦、準々決勝の高知中央戦と同じく、満塁のチャンスをことごとくつぶしてしまうという「満塁病」ともいえる拙攻が今回も続き、7回の1死満塁・8回の2死満塁の絶好のチャンスをたて続けに逃した後、9回裏の1死2塁、2死3塁にも、こちらもリリーフの脚の痙攣をうけて再登板した相手エースの思いのこもったストレートに差し込まれ、凡フライの連続。

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  にわかには信じがたい2回戦敗退という結果を招いたのでした。7回裏には、勝利を100%、いや、200%確信していただけに、悪夢も悪夢、こんな負け方って悔し過ぎるし、悔いが残りまくりやなと考えながら、球場をあとにしました。

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  今日の試合に限っては、敗戦の要因は、100%監督さんの采配ミスにあります。勝ち試合を壊したのは、〇〇君の弱気な投球による四死球による無死満塁と、そのあと喫した適時打ですが、彼を起用して登板させたのは、まぎれもなく監督なのですから。

 To be continued(=続く)