土佐の短い秋が終わりました ①

 勝負所を逃さない粘っこさと勝利への執念で、檮原高に一日の長があったかのように思えた試合でした。
イメージ 1

  土佐高打線はよく振れており、檮原高のエース・左腕の下元投手から「11安打」。守備陣も堅守で再三の絶体絶命のピンチをダブルプレーで切り抜けていきます。結局、ノーエラー。力強い檮原打線に対して、目先を変えるかのように小刻みに次々と繰り出す1年生投手の必死の継投も功を奏し、あと一本適時打を打たれると一方的な試合になりそうな場面をしのぎ切っていきます。

イメージ 2

  力いっぱいの戦いをできたにもかかわらず、勝利をつかめなかったことは誠に残念です。勝負は時の運ですから、致し方ないとは思いますが、もう少ししたたかで、そつのない戦い方ができなかっただろうかという後悔と反省と今後の課題が浮き彫りになりました。

 それは、好機にしぶとくタイムリーヒットを打つ勝負強さの鍛錬です。下元投手の精神力が勝った感じがしましたが、11安打でわずか1点では淋しすぎます。

 1年生投手たちは、体格も良く、今後の成長に期待が持てますが、現時点では、ストレートの球速が足りません。110㎞台の直球では、やはり強力打線はかわしきるのは難しいです。

 一方、下元投手は落ち着き払ったマウンドさばきで、堂々のピッチング。テンポ良く投げることで味方の守備陣にはリズムが生まれていました。抜群のコントロール。速球と変化球の絶妙のコンビネーション。無駄な四死球が無いことで、11安打されても、ここぞのピンチにはギアを上げて、土佐の中軸をばっさばっさと三振に切って取る投球術は、敵ながら天晴れでした。

イメージ 3

  最速は116㎞。けっして速いとは言えないストレートですが、20㎞遅いきれっきれの変化球、カーブでしょうか、スライダーでしょうか、打者の手元で鋭く曲がり落ちる球に、土佐打線はせっかくの好機をことごとく摘み取られました。下元投手の安定感のある、気魄に満ちた投球こそが、今日の檮原高の勝利の立役者であったことは明白です。

 下元君は我が塾のOBであり、私の教え子であっただけに、試合中、私の心は複雑であり、場面場面で千々に乱れたのは正直なところであります。

 To be continued(=続く)