芯からしびれた追手前の粘り腰 ①

 追手前高の管理職の方々の「英断」だと強く感じます。全校応援とまではいかなくとも、かなりの数の学生服姿の生徒が追手前応援席には詰めかけ、同胞に懸命の声援を送ります。

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  絶体絶命のピンチの連続にも、一所懸命の大声援を励みと支えとして、ことごとく耐え抜き、しのぎきっていく追手前ナインの姿に、多感な16・17・18歳が影響を受けないわけがありません。

 春野の球場は、どこにも勝る教場であり、気魄と精神力で土俵際まで押し込まれた大ピンチをグラウンド内・ベンチ・応援席が一丸、一体となって乗り切っていく経験は、人生に対する勇気と希望を若者の胸に強く深く刻み込む貴重極まりない宝物となって、心の中で輝きを放ち続けることでしょう。

 9回を終わって、安打数は、大手前10:3追手前。失策(エラー)数は、1:3。しかし、得点は、2-2の同点で延長戦です。打たれても、味方にエラーが出ても、四死球でピンチを招いても、ここぞという場面ではギアを上げて伸びのある速球をズバッと投げ込み、相手打線を切り取っていくナイスピッチング。気魄に満ちた投げっぷりに、もう感動。胸が熱くなり、しまいには感激で涙が込み上げてくるのです。

 土壇場の9回裏は、満塁策で、1死満塁。追手前は、外野に2人残し、5人内野で背水の陣を敷き、イチかバチかの攻撃的守備体系。これには驚かされました。頭脳もフルに使った作戦が功を奏し、サヨナラのピンチを脱し、凄い~追手前の歓声が上がります。

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  10回、11回も、2死1・2塁で強打者に打順が回ったところで、勝負をかけた「満塁策」。押し出しやワイルドピッチ・パスボールでサヨナラを招きやすくなるリスクがあるにもかかわらず、ここでもいずれも薄氷を踏む思いの大ピンチを乗り切っていくのですから、胸に熱いものがとめどもなく込み上げてくるのです。

 一打サヨナラの満塁時、鋭い打球が三遊間に飛び、負けたと思った時に、追手前遊撃手がダッシュ一番、バックハンドでキャッチするや、矢のような送球で間一髪アウト。そんな場面がいくつかあり、本当に体が芯からしびれるシーンの連続です。

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 14回の裏に、イージーなセカンドゴロの一塁送球がそれ、痛恨のサヨナラ負けに終わりましたが、敗戦の悔しさよりも追手前の選手たちの敢闘・健闘を褒め称えたい気持ちが勝る最高の、持てる力を十二分に出し切った立派過ぎる戦いぶりでした。

 To be continued(=続く)