芯からしびれた追手前の粘り腰 ②

  安打数は、13:5で、エラー数は、1:4。下手をすればビッグイニングを作られて、コールド負けしてもおかしくない試合を、決死の堅守で守り抜き、選手だけでなく、保護者の方々や、応援席にわざわざ駆け付けてくれた同窓の生徒の皆様で、熱投・粘投・力投で渾身の力でマウンドを守り、相手打者に挑む岡林投手を盛り立てて、接戦に持ち込んでくれました。

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  長い間、高校野球を観てきましたが、これほど打ち震える感動的な試合を生で見たことはありません。ですから、実際に戦った選手の皆様だけでなく、固唾を飲んで仲間のひたむきに白球を追い、諦めず、粘り抜き、格上に見える相手にいささかもひるむことなく精神力を燃やして果敢に挑みかかった選手たちの素晴らしい、一世一代の戦いっぷりをじかに、この目で見られたことは、「頑張り抜くこと」・「耐え忍ぶこと」・「心を一つにしてぶつかることの大切さ」などを心につかむ最大最良の教育となったと信じています。何より、素晴らしい共通体験により、同窓生の強い心の絆と愛校心が生まれたことでしょう。

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  平日ですから、授業があったはず。授業をこちらに置いておいて、優先順位を高校野球で甲子園を目指す仲間の応援に馳せ参じることを上にして、学生応援席を埋め尽くさせた追手前高の教育方針が、お題目の「文武両道」ではないことを強く感じて、感銘を受けるのでした。

 不十分な練習環境、文武両道、県下随一の公立進学校、県予選や四国大会での戦いぶり、監督さんの卓越した選手育成指導、これらが相まって、必ずや21枠での春のセンバツ出場の吉報が届くでしょうから、桜咲く頃に、甲子園で岡林君の力感溢れるピッチングをまた見に行く楽しみが増えました。

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【※驚愕の5人内野守備。外野に打ち上げられると、万事休すの9回裏1死満塁の大ピンチの図】


  一挙に、追手前のファンにもなってしまった、土佐高野球熱烈ファンなのでした。でも、こんな強い追手前、さらには、高知高、まだその上の明徳義塾高が夏の大会では君臨するかと思うと、土佐の夏の甲子園が遥かにかすんで見えてくるのは、ちっくと淋しいことでもあったりするのですね。