凄みを感じる明徳義塾高の戦いぶり

 慣れない人工芝に内野の守備陣が苦しめられてはいますが、地力に勝る明徳義塾高は終盤に待ち前の粘りを発揮し、8回に一気に試合をひっくり返し、東海地区代表の古豪・静岡高に鮮やかな逆転勝ち。決勝に進みました。

 四国大会に上位進出し、春のセンバツ甲子園を確実にしている明徳・英明高(香川1位)・松山聖陵高(愛媛1位)の3校に続く、ベスト4進出の高松商(香川3位)は明徳の戦いが気が気ではないことでしょう。準決勝で東海の雄を打ち倒した明徳が、明日の決勝で九州代表・創成館高に勝てば、神宮枠が四国に1つ転がり込むのですから。

 四国準優勝の英明高に7-8と惜敗の高知高(高知2位)にも、少なからずチャンスは生まれてきます。高松商は、英明には2-12と6回コールドの大敗を喫していますからね。

 ともあれ、明日、明徳に何としてでも勝ち切ってもらわなければなりません。大阪桐蔭高に完勝した創成館は、今日の試合を観ていると投攻守いずれもハイレベルの強力チーム。計算できる実力投手が数枚いて、一人で連投・熱闘の市川君の負担が懸念材料の明徳よりは有利な条件で戦えます。

 明徳内野陣が、2試合を神宮球場で戦った経験から人工芝に慣れて、普段通りの堅守で市川君を盛り立てることが明徳勝利の絶対条件。打線は活発で、特に6番に下がっている谷合君に明徳サイド待望の一発が出て、打線に核ができたことがこぢゃんと心強いです。上位下位ともしぶとく勝負強い打撃をしていましたから、創成館の投手陣から4~5点は奪えると踏んでいます。

 安定感抜群の市川君は、体力も十分。サイドスローから繰り出すホップするストレート。打者の手元でぎゅんと曲がるカーブ・スライダー。強力・創成館打線と言えども、簡単にはなかなか打てるものではありません。勝負所で全力投球し、あとは7~8分で打たせ取る省エネピッチングで、是非とも相手打線を牛耳って、優勝を飾り、神宮枠を同じ四国のチームにプレゼントしてくれることを願います。

 明日も、今日と同様、ハラハラドキドキしながらのネット観戦。神宮大会までも、ハイライトではなく、実況中継を観られるようになるとは、本当にパソコンとは便利で重宝する代物ですね。

 ちなみに、大学の部は、東京6大学代表の慶應義塾大学が、中四国代表の環太平洋大学に1-5と完敗を喫しました。東京6大学代表としては、あまりに不甲斐ない戦いぶり。情けないったらありません。どうした、慶應。春優勝の我が立教大学は、大学選手権で優勝して6大学のレベルの高さを証明してくれました。ですから、6大学代表としての慶應には大いに期待していただけに、初戦敗退が同じリーグで戦う者のファンとしては残念でならないのです。